VVarian社製高精度外部放射線治療装置　TrueBeam STx with Novalisを導入し、様々な部位の悪性腫瘍に対して高精度放射線治療（強度変調放射線治療および定位放射線治療）を行っています。

☆強度変調放射線治療（IMRT）

前立腺癌の根治照射/術後救済照射、子宮頸癌の術後照射や、肺癌の術前照射等に対して、がん組織へ十分な線量を照射することで治療効果を高めつつ、正常組織への照射を最小限にすることで副作用を低くすることが可能となる高度な技術である強度変調放射線治療（IMRT）を行っています。

☆定位放射線治療（通称：ピンポイント照射）

最新鋭治療装置TrueBeam STx with Novalisを用いることにより、かつてはガンマナイフ、サイバーナイフといった専用の装置を用いて行われてきた定位放射線治療（通称：ピンポイント照射）が可能です。
病巣に対し、さまざまな方向からの放射線を収束させて照射することにより、病巣には強い放射線線量を照射しつつ、周囲への臓器へあたる放射線の量を大きく減少させることができます。
現在、当院では定位放射線治療として、保険診療対象となっている30mm未満の頭蓋内腫瘍への定位放射線手術(SRS)および50mm未満の肺癌や肝臓癌などへの体幹部定位放射線焼灼術(SABR)を対象に施行しております。今後の保険診療改定にあわせて対象は拡大していく予定です。

☆画像誘導放射線治療（IGRT）

放射線治療装置に内蔵されたCT画像検査等の画像技術を駆使することによって、毎回の放射線治療の際に腫瘍本体や周囲臓器を確認して、0.1mm単位で誤差修正して正確な位置への照射を可能にする技術を用いて治療を行っています。

前立腺癌、婦人科腫瘍、乳癌、肺癌などの悪性腫瘍全般や、脳転移、肺転移、骨転移、リンパ節転移などの転移性腫瘍が対象になります。
がんを完全に治すための根治照射、がんによるつらい症状を和らげるための緩和照射など、がん治療における様々な段階で放射線治療が適応になります。

受診に関しては基本的には院内の各疾患担当科からの紹介受診となります。
しかし、前立腺癌に対する根治IMRTを施行される患者様につきましては、当科へ直接で紹介いただいてかまいません。（検査、手術等を含めて御紹介頂く際は、泌尿器科へご紹介下さい）乳癌の術後放射線治療につきましても手術を施行された病院から、当科へ直接で紹介いただいてかまいません。

頭蓋内腫瘍の定位放射線治療の紹介につきましては、まず脳神経外科へ御紹介下さい。

肺、肝臓の定位放射線治療の紹介につきましては、まず当科へ御相談いただければ幸いです。
放射線治療の中にも様々な照射方法があります。当院で施行ができない治療については大阪大学医学部付属病院や大阪重粒子線センターなどと連携をして、最適な放射線治療が受けられるようにいたします。

大阪大学医学系大学院放射線治療講座教授の小川和彦先生や当院放射線治療担当医による、がん放射線治療に関するセカンドオピニオン外来を毎週火曜日に行っておりますので、ご相談のおありになる患者様は気兼ねなくご予約ください。