ご挨拶
PET、SPECT装置により悪性腫瘍、認知症、脳血管障害、心臓病などの高度な診断に寄与します。
当科の特徴・特色
当科の特徴の一つとして、大学病院以外では比較的少ない常勤の核医学専門医がいることがあげられます。そのため、他施設からの紹介患者、健診受診者にも診断結果を検査当日にお返しすることができます。
SPECT、特にPET装置は、CTと異なり導入されている病院は必ずしも多くなく、必要な場合はぜひ当院の施設をご利用ください。
診療内容・特色
多くのがんが未だ難治ですが、医療の進歩とともに早期に治療すれば根治も期待できる時代になりました。そのためには、がん検診を定期的に受けることが大切。ただ、残念ながら、一度ですべてのがんを検査できる方法は確立されていません。がんの検査方法は超音波検査、X線検査、内視鏡検査、血液検査……と数多くあるものの、特定の部位もしくはがん種を調べる方法がほとんど。PET-CT検査は全身を一度に調べられる数少ない検査方法です。
もちろん、PETでも見つけにくいがんはあります。PET検査は、がんが通常の細胞よりブドウ糖を多く取り込む性質を利用。ブドウ糖によく似た薬剤FDG(ブドウ糖に目印となる放射性物質を付けた薬剤)を受診される方に投与し、FDGが集積している箇所ががんかどうかチェックします。しかしFDGは尿中に排出されていくため、腎臓や膀胱など尿が貯まる場所は異常がなくてもFDGが集まり陰性・陽性の判断がつきづらいうえ、もともとブドウ糖代謝が活発な脳の腫瘍や、逆にブドウ糖が集まりにくい早期胃がんなども、PETでは見つけにくくなります。
CT(左)画像に比べ、PET-CT画像(右)では糖代謝を確認できます(矢印ががん)
メリットとデメリット
PET検査は、①痛みがほとんどない(注射を挿す痛みはあります)、②比較的短時間の検査で済む(早ければ待機時間含め2時間半)、③小さながんを見つけやすい――などのメリットがある一方、①高額、②被ばくする(1年間の自然被ばく量と同程度)、③治療する必要があるか疑問のごく早期のがんも発見し過剰診療につながる――などのデメリットもあります。とくに被ばく量が問題になりがちですが、実はPET-CTの被ばく量は胃のバリウム検査と同程度で、身体にはほとんど影響ありません。
50代からのPET健診
医療が進歩したとはいえ、疾患には罹患しないのがいちばんです。がんは早期のうちはほとんどが無症状。検診は症状が出てきてから受けるものではなく、症状がないうちに受診し、早期発見・治療につなげることが大切です。
PET検査は高額で、身体に影響はないとはいえ被ばくもしますので、若年のうちから受診する必要はありません。婦人科がんなどは若いうちから検診を受ける必要がありますが、そのほかの大半のがんは年齢とともに罹患率が増加(グラフ)します。がん罹患率の上がる40代、50代以降の方はPET検診で全身をスクリーニングし、気になる箇所・がん種を別途、他検査で調べることをご検討ください。
当院には常勤の放射線診断科専門医がおり、医師が学会出張中でない限り検査後30分~1時間で医師から結果報告いたします。ご興味おありの方は健診センターまでご連絡ください。
PET検診の流れ
①2階の健診センターにお越しください。受付いたします。(検査6時間前から絶食をお願いしております。水は飲んでいただいて構いません)
② PETセンターで検査に必要な薬剤(FDG)を注射いたします。
③待機室で約1時間、安静に待機していただきます。尿を出す必要があるため、ミネラルウオーターをご用意しております。
④検査前にトイレに行っていただきます。
⑤PET検査を受けていただきます(検査時間約25分)。しっかり画像を取るため、腕を上部で固定いたしますが、肩の痛い方は身体の横に沿わせていただいても構いません。
⑥待機室で20~30分、お休みいただきます。疾患の有無にかかわらず、診断を確実にするためFDG注入120分後に再検査させていただくこともございます。
⑦検査結果は、医師が学会等で不在でない限り、当日中に放射線診断医からお伝えいたします。分からないことなどございましたら、お気軽にご質問ください。
⑧健診センターで着替えていただいて検査終了です。
検査日とお申し込み
〈検査日〉
月~金曜日(時間は検査内容によって異なります。まずはご相談ください)
〈お申込み〉
月~金曜日 9:00~16:00(祝日除く)
TEL:06-6878-1110
担当医
太田 仁八ひとや
PETセンター長
略歴・経歴
1980年 京都大学 医学部卒業
2016年 吹田徳洲会病院 PETセンター長
資格・専門医
日本医学放射線学会診断専門医
日本核医学会専門医
PET認定医
京都大学医学博士
所属学会
日本核医学会
日本医学放射線学会