診療内容・特色
緩和医療科は、当院11階の緩和ケア病棟に入院される患者様に対し、看護師や薬剤師、理学療法士、管理栄養士と協働の下、がんによる身体的・精神的な苦痛を和らげ、可能な限りいつもと同じように、その人らしい日々が過ごせるようサポートさせていただく診療科です。当院では、苦痛の軽減に努めるだけでなく、ゆったりと過ごしていただける環境の調整やケアを提供いたします。
緩和ケアと緩和医療
緩和ケアは、生命を脅かす病に直面している患者様だけでなく、そのご家族も対象としています。患者様やご家族が抱えるさまざまな問題を早期に見つけ、適切に評価・対応することで、苦痛を予防、緩和し、その生活の質(Quality of Life=QOL)を改善する取り組みです。
一方、緩和医療は、緩和ケアに理論を統合した診療領域であると同時に、学問の領域でもあります。1988年、英国で医学の専門領域と定義されました。学問としての歴史は浅いのですが、欧州緩和ケア学会 (European Association for Palliative Care, EAPC)では毎年、世界中から新しい臨床研究結果が報告され、緩和「医療」の発展は目覚ましいものがあります。近年、日本でも緩和医療学の大学院が設置されたり、世界に発信できる臨床研究が数多く行われたりしています。
緩和ケアの取り組みには、基本的緩和ケア(すべての医療従事者が実施するもの)と、専門的緩和ケア(複雑な問題に対応するために、専門家が多職種で対応するもの)があります。当科では、緩和医療学の知識を基に、治療科の医師と共同、もしくは当科が主体となって、より専門的な緩和ケアの実施に努めています。
緩和ケアの実践
患者様やご家族のご希望を丁寧に伺い、可能な限り実現できるよう、サポートして参ります。当院では、週1回の多職種カンファレンスをとおし、患者様の状態を緩和ケアにかかわる全職種が共有、ケアに生かしております。がん性の疼痛やだるさは、緩和医療科やがんカテーテル治療センターの医師が、患者様のご希望とQOL(生活の質)のバランスを勘案しつつ薬物療法を提供するとともに、看護師が、理学療法士が作成したメニューをもとにベッド上でのリラクゼーションやアロマセラピーを提供し、その除去・軽減に向け尽力しております。
緩和ケア病棟のご案内
個室
室内に収納戸棚、テレビ、セーフティーボックス、ひとりがけソファ&テーブル、冷蔵庫、専用のトイレ、洗面台などがございます。
特別室
室内にクローゼット、ミニキッチン、冷蔵・冷凍庫、電子レンジ、大型テレビ、セーフティーボックス、大型ソファ、和室スペース、専用のシャワー&トイレなどがございます。
3人部屋
個々に収納戸棚、テレビ、セーフティーボックス、冷蔵庫、机をご用意。プライバシーに配慮し、おひとりのスペースを広めに取っております。室内に洗面台、トイレあり。
家族室
ご家族に宿泊・待機していただくお部屋になります(和室のみ)。前室に、ご家族様用の洗面台、トイレ、シャワーがございます。
デイルーム
患者様やお見舞いの方にくつろいでいただく場所です。患者様用のキッチン、自動販売機がございます。
ラウンジ
デイルームとは別に、南側にくつろぎのスペースをご用意。ご希望の方は、看護師同伴の下、テラスに出ていただくことも可能です。
個室料金
3人部屋は差額室料なし(部屋代無料)でご提供しておりますが、個室、特別室は部屋代が発生いたします。ご希望の方はご相談ください。
- 個室:10,800円/日
- 特別室:21,600円~32,400円/日
緩和ケア病棟 入院相談の流れ
①かかりつけの医療機関をとおして、当院までご連絡ください。
TEL:06-6878-1110
(受付:平日9:00~16:00)*土日祝、年末年始(12/31-1/3)・休
②かかりつけの医療機関より、当院既定の申込書、診療情報提供書(紹介状)、最新の検査データ、看護サマリーを当院の医療ソーシャルワーク室までFAXにてお送りください。
③当院で緩和医療科外来(有料)の予約の日程を調整し、かかりつけの医療機関にご連絡いたします。
④必要書類を持参のうえ、緩和医療科の外来を受診(約1時間かかります)。
*医療ソーシャルワーカーによる緩和ケア病棟のご案内、看護師の面談、医師の診察がございます。
⑤入院日時の調整ができ次第、かかりつけの医療機関にご連絡いたします。
担当医
馬場 美華ばば みか
部長
略歴・経歴
平成10年卒
和歌山県立医科大学卒。大阪大学大学院医学系研究科(緩和医療学寄附講座)に在籍し、博士号(医学)を取得
資格・専門医
日本緩和医療学会専門医
日本がん治療認定機構 がん治療認定医
日本麻酔学会専門医
日本麻酔学会指導医
所属学会
日本緩和医療学会
日本麻酔科学会
日本ペインクリニック学会
日本癌治療学会