診療方針
形成外科は、頭髪から足指の爪先まで、ほぼ全身の体表の疾患を治療対象としており、また顔面の骨組みをなす顔面骨も取り扱っています。
従って他科と領域が重なるところが多いため、当院では集学的に治療を要する疾患に関しては複数の診療科と協力して治療に当っています。例えば、眼の周りの疾患に対しては眼科と、足の病変(重症虚血肢など)に当たっては心臓血管外科や内科(腎臓、糖尿など)と力を合わせて救肢に当たっています。
乳癌治療においては乳腺外科と再建手術のあるなしに関わらず一緒に手術を行っており、また術後は放射線治療科と連携し、乳房の皮膚や傷跡がきれいになるよう加療を行っています。顔面の皮膚癌に関しては、整容的(外見的)な面に配慮して治療を行っていますが、さらに美容的な希望があれば、美容外科(全額自費)からも提案出来るよう準備をしています。
形成外科での治療は手術療法がメインです。時として機能の改善を目的とすることもありますが、そのほとんどが体表の手術であるため形態の改善を主体としています。従って、治療により整容的な改善を得ることを重視しています。外見で悩んで来院される患者さんが少なからずみられます。具体的には癌切除や一般手術後の変形、外傷後の醜痕や生下時よりみられていたアザなど、実に百人百様の悩みがみられます。これらを治療することで、結果的に心理的な改善にもつながることが多く見られるため、それが「形成外科は心の再建外科」と言われる所以です。但し、医療は日進月歩とは言え、まだまだ現代の医療は不確実で限界があります。全てにおいて良い結果が得られるとは言い切れません。ただ確実に言えることは、患者のQOLを重視する形成外科学の基本的な理念は、今後も変更されることはないでしょう。
担当医
小島 正裕こじま まさひろ
部長
略歴・経歴
平成10年卒
資格・専門医
日本形成外科学会専門医
医学博士
所属学会
日本形成外科学会
日本形成外科学会(JSAPS)
日本創傷外科学会
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
藤原 敏宏ふじわら としひろ
非常勤医師
資格・専門医
日本形成外科学会専門医(兵庫医科大学形成外科講師)